ADR法(裁判外紛争解決手続)

ADRとは?

  1. ADRとは?

    A(alternative)、D(dispute)、R(resolution)の略で、直訳すると「裁判外紛争解決手続」という意味です。今まで、当事者間で話し合いにならない民事上のトラブルや紛争は、裁判所でしか解決することができませんでした。そこで国(法務省)が民間専門家(公正な第三者機関)の知見、知識、経験を生かして当事者同士の話し合いを支援し、合意紛争解決を図ることができるようになりました。それがADRです。

  2. ADR法とは?

    「裁判外紛争解決手続の利用の促進に関する法律」(平成16年12月1日交付、平成19年4月1日施行)を略称してADR法といいます。この法律は、「国民にとって裁判と並ぶ魅力的な選択肢となるよう、その拡充、活性化を図っていくべきである」との理念、指針からできた法律です。その為、今後の日本の司法制度に大きな変革をもたらす制度と期待されています。

  3. ADRの特徴

    ■手続きが簡易的

    裁判や弁護士ではなく、民間ADR機関がADR法に基づき手続きをするため、とても簡易的かつ効率的である。

    ■解決時間が短縮

    裁判所での調停、審査、判決等の手続きではないので、話し合いによる早期解決が見込まれる(3カ月程度)。

    ■経済的な負担が少ない

    弁護士費用や裁判費用などを要することがなく、解決になるケースが多く、当事者の経済的リスクが大幅に軽減される。

    ■自律的な解決

    中立な立場であるADR機関が法的根拠に基づき、当事者双方の権利・主張を尊重するため、自律的解決を目指せる。

    ■非公開

    裁判は公開制だが、ADRは非公開である。紛争の内容や個人、企業のプライバシーを守れるのがADRの特徴である。

  4. ADRと割賦制度

    「不動産割賦売買支援制度」は公証役場による公正証書の作成、強制執行認諾、送達証明書があるため、法律的には売主も買主も権利の保全はされています。しかし買主が契約解除、又は連絡受取りの拒否、又は行方不明になる可能性もゼロではありません。そこで、ADR法を活用し、契約書並びに公正証書に「裁判外紛争解決手続」の文言を入れることで、ADRに従うことを法的に立証しています。その為、売主・買主双方とも話し合いを拒否することはできなくなります。